格安SIMの速度問題ってどうなってるの?

格安SIMの速度問題ってどうなってるの?
 格安SIMが市場に認知されてきたのが、ここ1年程度になり、楽天モバイルやイオンモバイルなどの大手の参入で、更に認知が拡がり、ドコモなど大手キャリアからの乗り換えが増えてきました。しかしながら、速度に納得できないという人もいます。現在の速度問題は当なのか?解決方法は無いのか?見ていきます。


格安SIMの速度問題
かなり速度は速くなってきている
規制緩和がカギ
利用するスマホでも改善する方法がある


★かなり速度は速くなってきている

 去年などは、格安SIMを提供しているMVNO各社、人気が出れば出るほど、速度問題が出てきていました。ドコモやauなどの回線を購入して提供しているMVNO各社ですが、ドコモやauなどのキャリアで契約して高速通信を利用するよりもはるかに安い金額で高速通信が利用できるという事もあり、スマホやタブレットユーザー、ノートPCを利用しているユーザーが、MVNOの認知が広まれば広まるほど、かなりの数の契約の伸びがあり、キャリアから購入している通信総量が不足して、ユーザーのアクセスが集中する時間帯などは、高速通信どころか、かなりの重さを感じる速度になっていました。
 実際に、キャリアで契約している時よりも、半額以下で利用できると考えれば、スマホの契約はMVNOの方が圧倒的にお得ですから、仕方ない部分もあるかと思います。つまりは、市場の成長にプレイヤーが付いていけていなかったという事です。
 ところが、今年の春先から夏にかけて、急成長から安定的成長に向かってきているので、MVNO各社、ユーザーの増え方に合わせて、アクセスの集中に備えた対応ができつつあるのが、現在の状況です。多少の通信の重さを感じることもあるかと思いますが、かなり速度は安定してきているのが現状です。


★規制緩和がカギ

 今後はさらなる高速通信の安定化が見込まれていきます。例えば、ドコモとauの両方の回線を提供しているmino(マイネオ)などは、今までのプランとは別に速度が安定したプレミアムプランなどを出してきています。
 この動きは、先々月の後半から先月の頭頃に、今までの規制が緩められたことが起因していると思われます。今までは、MVNOはキャリアに対して新しいサービスなどの提案を個別でキャリアに相談することはできませんでした。
 ところが、今回の規制緩和で、MVNOとキャリアが個別で相談する事が可能になり、個別のプランなどが出しやすくなり、通信速度や速度の安定性などはもちろん、個別のプランやサービスを打ち出しやすくなり、各社先ほどのようなプレミアムプランのような安定性が出てくることが期待できます。
 また、技術面でも変化があります。こういった個別の交渉ができるという事があるので、期待は高まるのですが、今まで利用していなかった通信帯域をドコモが新たに提供を開始しました。従来は、鉄塔などの高い位置に基地局を置き、そこから送受信を行っていましたが、今回のリリース内容では、試験導入ではあるが、山手線の主要駅に基地局を設置し、上から面で通信するのではなく、横からピンポイントで対応すると言った内容で、主要駅のラッシュアワーなど通信の集中するタイミングに対応すると言った内容だ。
 また、この新しい帯域に対応したスマホはドコモの新しい夏のモデルだけだが、今後投入されるスマホに期待がかかります。もちろん、ドコモから通信を購入しているMVNO各社も新たな帯域に対応したスマホを順次投入していく事になるので、更に通信速度の安定化が期待できる。


★利用するスマホでも改善する方法がある

 また、大幅に安定的な高速通信ができる画期的な方法と言うわけではないが、スマホ選びでも、この通信の不安定さに対する対処は可能だ。上記の項で新しい帯域の話をしたが、格安スマホを購入するときに、是非、確認してもらいたいのが、通信帯域をどれだけ対応しているかと言う点だ、バンドとも言われている。このバンド数が多ければ、多いほど、数多くの通信帯域を拾えるので、比較的、高速通信がしやすくなる。
 また、同様にその帯域をMVNO側でも提供しているかを同時に確認する必要がある。数多くのバンド数に対応しているスマホで且つ、それらにしっかりMVNOが対応しているかどうか、これも、格安SIMを選ぶ際の大きなポイントになるかも知れない。

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