パナソニックが提供している格安SIM「Wonderlink」ってどうなの?

パナソニックが提供している格安SIM「Wonderlink」ってどうなの?

 格安SIMに大手家電メーカーのパナソニックが参入していたってご存知ですか?パナソニックのパソコンの「レッツノート」を利用している人は、メーカーからのメルマガなどから認知されている方もいるかと存じますが、パナソニックが提供している格安SIM「Wonderlink」は果たしてよいサービスなのか?使えないサービスなのか?分析してみます。


◆通信SIMのみの提供

 パナソニックのSIMはデータ通信専用のSIMになっており、音声通話タイプのSIMカードは発売していません。SMSに関しても現在、非対応になっています。通信回線は、ドコモの通信網を利用しているので、日本国内のカバー率は一番広い範囲をカバーしている事になります。また、高速通信の速度ですが、Xiエリアであれば、下り最大225Mbps、上り最大50Mbpsとなっています。また、FOMAエリアにおいては、下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsとなっています。
 スピードに関しては、他社同様、問題ない、高速通信と呼べる速度は担保されていると思われます。
 ただし、やはり、通話したいと言う人には、LINEやskypeなどの通話アプリを利用するか、インターネット電話であるIP電話などの選択肢を検討しなければなりません。ですが、一般的に通話ができるMVNOのSIMや、ドコモやauなどが基本的に提供している通話の料金は、20円/30秒といった料金体制になっており、LINEやskypeであれば、同じアプリを使用している人であれば、無料で通話ができますし、IP電話であれば、この料金も半分以下の料金で通話ができます。
 ただし、通話専用のSIMを利用できないので、従来使用していた携帯電話をパナソニックのSIMに乗り換えて、skypeやIP電話で通話をしたいと言ったケースでは、電話番号の引き継サービスであるナンバーポータビリティ(MNP)を利用することはできないので、超注意です。


◆使い放題プランには気を付けてね

 このパナソニックの「Wonderlink」の公式ページを見ると、「LTE Fシリーズ」というデータSIMの使い放題プランが用意されています。1580円の月額で使い放題プランというのが、プッシュアップされていますが、これには、注意が必要です。「Wonderlink」がいう所の使い放題プランというのは、結論から言えば、低速通信の使い放題です。高速通信の使い放題ではありません。月間の通信容量1GB以内であれば、下り最大225Mbps 上り最大50Mbpsの満足のいく高速通信を得られますが、それ以降は、700kbps使い放題という速度になり、低速通信の中では、早いほうかもしれませんが、メールのやり取りやFacebookやLINEなどでメッセージのやり取り位であれあ、ストレスなく操作ができるかもしれませんが、通信を伴うアプリゲームや動画のストリーミングなどは、ストレスを感じる事でしょう。
 一つ上のプランとなる「F-7G」というプランでも使い放題という言い方をしていますが、高速通信に関しては、月間で7GBまでとなります。それ以降は、700kbpsという低速通信の中でも比較的早い方といった水準に戻ります。また、定額プランの「LTE Iシリーズ」と比べると低速通信が3倍以上速いとのことですが、あまり期待はされない方が良いと思います。また、1日の通信量が1GBを超えた場合、速度制限される可能性があるとの表記があることも要注意です。
 1日の通信容量に制限を設けているような表記をしているMVNOは余りお勧めとは言えません。そのMVNOが持っている通信総量が少ない為に、ユーザーにシワ寄せがいっていると言えます。通信総量が多いMVNOは高速通信も表記通りの納得の速度に近い体験をすることができますが、通信総量が利用ユーザーに対して少ないMVNOは、スグに通信量がパンクしやすくなり、高速通信を選択していても満足のいく速度を実現できないといった実情があります。そういった意味で考えると、パナソニックのMVNOサービス「Wonderlink」に関しては、しばらく様子見が良いかなぁと思ってしまいます。

【月間ごとの定額プラン】

  1GB   5GB 7GB
月額費用(税抜) 890円 1,460円 1,870円
契約期間の縛り 11か月 なし なし

【使い放題プランプラン】
  F-使い放題700 F-7G
月額費用 1,580円 2,480円

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