電気通信事業法の改正でMVNOは何か変わるのか?

電気通信事業法の改正でMVNOは何か変わるのか?
 5月21日に電気通信事業法の改正が発表されました。これは、大手キャリアとMVNOの関係に対する規制であり、ルールだったのですが、今回の改正によって、大きく今後のMVNOのサービス各社の差別化や、競争が見込まれます。


電気通信事業法の改正とは?
そもそも、どんな規制があったの?
規制緩和されるとどうなるの?
想像される効果
デメリットだってあるかもしれない


★そもそも、どんな規制があったの?

 もともと、現在、市場に出回っている楽天モバイルやFREETEL、ワイモバイルなどと言った「格安SIM」について把握する必要があります。
 最近出回ってきた、この格安SIMは、自社で電波塔や基地局を作って、通信網をサービス提供しているわけではありません。彼らは、大手キャリアと呼ばれているNTTドコモやauといった携帯通信事業者から、通信回線を購入して、一般ユーザーに提供しており、現在そういったサービスの事をMVNOと言っています。
 通信を借りて、一般ユーザーに向けてサービス提供しているという事は、従来と異なり、ドコモやauと直接契約しているのではなく、間にMVNOが入っての通信網の販売となるので、ドコモやauよりも、パケット高速通信量が圧倒的に安く、「格安SIM」とか、「格安スマホ」と言われている不思議がありますが、これは、MVNO各社ともに、大手キャリアと異なり、店舗を数多く全国に持たなかったり、大規模なコールセンターを持たないといったポイントがあり、大手キャリアよりも安くサービス提供ができているという事になります。
 規制という言葉は、ルールという平等性が裏にあるわけですが、この法律は、わかりやすく言えば、大手キャリアは、MVNO各社を平等に扱わなくてはならないという内容になっています。一部の会社だけを優遇するとか、特別なサービスを提供するといったことができませんでした。
 また、MVNO個別の注文に応じることも、公平性の観点からサービス提供することができませんでした。


★規制緩和されるとどうなるの?

 この平等性の規制が撤廃されることで、MVNOは独自の内容をドコモなどの大手キャリアに提案しやすくなり、また、大手キャリアと組むことでしかできないようなサービスの提供が始まっていくと思われます。


★想像される効果

1,サポートの充実
 MVNO各社のサポートは、キャリアのようにショップを数多く持っているケースは少なく、主に、コールセンターで賄っています。こういったコールセンター業務をキャリアと連携できれば、MVNOにすれば、負担が軽減でき、キャリアからすれば、ノウハウがある業務で売り上げを作ることができるというわけです。もちろん、ユーザーは、繋がりやすく対応の質が高いコールセンターの方がうれしいですよね?
2,キャリアショップでメンテナンス
 MVNOは安い料金でユーザーが利用できるように、固定費になる店舗をあまり設けていません。もし、キャリアショップでも、メンテナンスや手続きができるようになれば、便利ですよね?
3,即日開通、即日MNP
 今までは、ユーザーのデータベースの連動をしていませんでしたが、連携や連動などができれば、オンラインで購入したユーザーであっても、即日開通、即日MNPが可能になるでしょう。現在、通信専用SIMであれば、可能でしたが、音声通話SIMのオンライン即日開通には、時間がかかりました。
4,dポイントが貯まる?
 MVNOのユーザーであっても、通信、通話料に応じて、dポイントをためることができる
5,通信が安定するかも
 現在、購入した通信回線の帯域のみをMVNOに開放していますが、帯域の混雑状況に応じて、他の帯域を用意してもらえるなどの柔軟な対応ができれば、安定的な高速通信をユーザーは享受することができます。
6,通話のメリットも?
 格安SIMが格安なのは、あくまで3G,4G,LTEと言われるパケット高速通信の通信量です。通話に関してのメリットは、MVNO各社が独自で行っているものです。もし、MVNOにもキャリアのような「かけ放題」プランが登場するかもしれません。


★デメリットだってあるかもしれない

 上述のような内容のサービスを受けられるとしたら、ユーザーにとってMVNOという選択肢はかなり可能性が広がりますが、サービスが増えるという事は、料金も今のままの激安価格でいられるのか?料金据え置きで上述のようなサービスを受けるというのは、おそらくむつかしく、ユーザーへの負担が増える可能性もあります。
 つまり、高いといわれているドコモなどのキャリアの料金というのは、そういう事なのだという事も実感しました。