車でスマホから音楽は当たり前、その先へApple「CarPlay」

車でスマホから音楽は当たり前、その先へApple「CarPlay」

 車のオーディオ操作を既にiPhoneで行っているスマートフォンで行っているとか、カーナビをスマホで代用している人なども少なくないのではないでしょうか。
 旧来では、音楽を車で聞く際は、CDプレイヤーなどにCDを入れて、カーオーディオのハードディスクに落として、音楽を聴くというのが主流でしたが、最近では、車にBluetoothが搭載されるようになり、スマートフォンと車のペアリングを行う事で、車からスマホを操作して、スマホ内の音楽などを楽しむことが出来るという、次第に車とスマホが一体化していくような流れが構築されています。
 カーナビアプリを利用して車を運転するなどと言った事もその一つと言えるでしょう。
 そんな中、Appleがリリースした「CarPlay」は、気になる取り組みと言えます。


◆社内のエンターテイメントやナビはAppleの「CarPlay」が代行

 日本国内ではあまり認知が無いのですが、Appleがリリースしている「CarPlay」は、将来の車とスマートフォンの付き合い方の方向性を示している存在かもしれません。国産の自動車メーカーでは、導入に関して、前向きなコメントは一切リリースされていないが、ゼネラルモーターズ・ジャパン(GM)の12月8日のリリース情報では、2016年から発売されるGMの主力車種「キャデラック」、「シボレー」にApple社の「CarPlay」を標準装備で提供すると言ったリリースを行った。
 キャデラックでは従来のナビゲーションシステム「CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)」で、カーナビ、音楽、映像などの統合管理を行っていたが、これはなくならず、「CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)」が、「CarPlay」に対応すると言った内容になっている。これは、日本国内で発売されている車の中でも初の試みだ。
 運転手は、これで、ハンズフリーで音楽再生や、ナビゲーションの目的地の設定、通話などが「CarPlay」で行うことが出来る。


◆「CarPlay」には具体的にどういった機能があるの?

 これからGMから発売されるすべてのモデルに搭載されるのだが、車に乗ったら、iPhoneをライトニングケーブルを繋ぎます。そして、エンジンを掛けて、カーナビを立ち上げます。そして、ステアリングについている通話ボタンを押すだけで、「CarPlay」とのコミニュケーションが始まります。
 通話ボタンを押すと、Appleの音声認識ツール「Siri(シリ)」が立ち上がり、何をしたいのか、リクエストを求めてきます。例えば、ここで、目的地を告げれば、ナビを設定することが出来ます。また、楽曲やアーティスト名、アルバム名を告げれば、音楽の再生が始まります。
 もちろん、通話したい相手を告げれば、通話することも可能です。その他地図アプリなども利用できたり、SNSのメッセージ内容をディスプレイに表示させると言った事も可能です。この他「CarPlay」では100種類程度のアプリを搭載しており、今後も色々なアプリベンダーから「CarPlay」対応のアプリがリリースされていく事でしょう。
 と、ここまでは、夢のある話ですが、残念ながら、既存の発売されているGMの車種に搭載されている「CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)」は、バージョンアップしても、「CarPlay」対応にはならないそうで、あくまでも2016年度からの発売分になるそうです。根本から違うシステムなのでしょうね。
 また、これは、Appleユーザーにとっての朗報であって、Androidユーザーにとっては、残念なニュースとも言えますが、現在、GMでは、「Android Auto」というAndroid用の車のナビシステムに対応する予定は無いそうです。
 現在、どの新車種もBluetoothで車との連携ができていますが、会話で、色々便利を利用すると言った本来のハンズフリーの状況ではないですが、このGMのリリースが元になって、各社色々試行錯誤していく年になっていく事でしょう。車好きな筆者にとっても楽しみでしかたありません。