「arrows M02」が営業マンやマニア受けしている理由

「arrows M02」が営業マンやマニア受けしている理由

 富士通が10月に発表したSIMロックフリーのスマートフォン「arrows M02」は、まだまだ、一般的に売れているスマホかと言えば、そうでもありません。しかしながら、マニアであったり、外出が多い営業マンなどには高い評価を得ています。
 このスマホは、ミドルクラスのスマートフォンでカメラやディスプレイ、CPUなどもかなり優秀なスマホですが、他のAndroid端末などに無い特徴があります。


◆大手3キャリアから好きなキャリアを選べてVoice Over LTEが利用できる

 何の事を言っているのか?と思われるかもしれませんが、これが大きな特徴です。具体的にはこの後、追って説明していきますが、これに対応しているのは、他のスマートフォンでは、現在、iPhoneだけで、iPhoneの中でも「iPhone6」と「iPhone6 Plus」だけです。
 で、何がAndroid端末で「arrows M02」だけの特長なのかという点を具体的に説明していきます。
 この「arrows M02」が対応している通信規格ですが、一般的にはドコモの回線でしか利用できないとか、auの回線でしか利用することが出来ないといったように、キャリアが固定されていますが、このスマートフォンは、大手3キャリアのドコモ、au、ソフトバンクのすべての通信規格に対応しているAndroid端末の中では唯一の存在です。
 具体的には、LTE(FD-LTE)・3G(W-CDMA)・GSMの通信規格に対応していて、GMSは、第2世代携帯電話といわれる、聞きなれないかも知れないが「2G」と言われる通信規格で、日本、韓国、北朝鮮以外の世界中で利用できる通信規格で、日本では、国際ローミングの際に利用されている方式で、LTEは、現在日本で一番質の高い高速通信と言われており、4Gという言い方をしているキャリアもありますが、みなさんもご存じの通信回線かも知れないですね。
 ここからが核心なのですが、このLTEでは、「VoLTE(Voice Over LTE)」による高品質な音声通話ができるという特長があります。日本で複数のキャリアの「VoLTE」に対応しているスマートフォンは、この「arrows M02」とApple社製の「iPhone6」と、「iPhone6 Plus」だけが対応しています。
 「Voice Over LTE」とは何か?といった点にフォーカスしていきますと、元々3Gと言われている第三世代の携帯電話の高速通信を更に高速化したLTEの方式であり、音声通話を従来の通話用の回線ではなく、パケット通信、つまり、インターネットを介したデータ通信方式で提供する技術の事を差します。つまりは通話回線ではなく、ネット回線を利用した通話方式ということです。よく、自宅の電話を固定電話の通話契約からプロバイダ経由のIP電話にした方が安いと言う理由でIP電話に切り替えている人も多くなってきましたが、このIP電話の方式に手を加えたようなモノとお考えください。
 IP電話と固定電話の通話の質を比べたことがある人は少ないと思いますが、遜色なく高品質の音声通話ができていますよね?携帯電話での通話と比べると当たり前かもしれませんが、固定電話の方が聞こえやすいですよね?
 その固定電話と遜色ないレベルで通話ができるIP電話に近い手法での通話になるので、スマートフォンでの通話と比較して、かなり良質な通話ができるというわけです。
 そういった点から、営業マンなど、外出先で電話を数多く利用する人に高い支持を得ている訳です。


◆Voice Over LTEにも欠点がある

 実は、「arrows M02」や「iPhone6」、「iPhone6 Plus」などは、「VoLTE」で良質な通話ができると説明しましたが、実は同一キャリア同士でないと、利用できないと言うネックがあります。つまり、ドコモならドコモ同士であることが必要です。格安スマホのMVNOであれば、同一のMVNO同士での通話が条件となります。
 そういった意味で言うと、かなりの数が流通しているiPhoneであれば、意味があるかもしれませんが、まだ、流通している端末数が少ない「arrows M02」では、「VoLTE」を利用した良質な通話ができるかというと、相手が同じ端末を持っている可能性が少ないので、欠点として記載させていただきました。