2019年9月から中古スマホのSIMロック解除が義務に

2019年9月から中古スマホのSIMロック解除が義務に
 2018年8月に、総務省は中古スマホでもSIMロック解除に応じることを大手携帯電話会社に義務付ける方針であることを発表しました。
 この制度が有効になるのは、2019年9月以降となります。これにより大手キャリアのお店で販売された中古スマホを購入した人でも、格安SIMを含めて自由に回線業者を選ぶことができるというメリットがあります。これにより誰でも安い費用でスマートフォンを利用することができるようになりますが、問題点もあります。




そもそもSIMロックって何?

 現在は、日本国内の大手キャリア携帯電話会社で購入したスマートフォンについては、その会社の回線(SIM)でしか使えないようになっています。例えばiPhone端末自体は格安SIMも含めて多くの携帯電話会社で使用できますが、NTTドコモやauなどのキャリアショップで販売された端末は他の会社のSIMを入れても利用することができません。
 SIMロックとは、大手キャリアショップで販売された携帯電話を使って他の回線業者を利用することができないようにするための仕組です。SIMロックがかけられていても物理的にSIMカードを挿入することは可能ですが、OSのシステムに通信機能が利用出来ないような設定がされています。
 他社のSIMが使えないようにするプログラムを書き換えることで、SIMロックの機能を無効にすることができます。


購入者以外はSIMロック解除できなかった

 既に大手キャリアショップではその会社のお店で購入したスマートフォンを持ち込んで手数料を支払えば、すぐにSIMロックの解除をしてもらうことができます。
 ただし現在は大手キャリアショップに持ち込んでSIMロック解除をしてもらえるのは、そのスマートフォンを購入した本人に限られます。別の人の手に渡ったスマートフォンについては、本体を販売したショップに行ってもSIMロック解除に応じてもらえません。
 もしも購入した中古スマホにSIMロックがかけられていたら、販売された会社の回線(SIM)でしか使用することができません。このため中古スマホを買い取ってもらう場合には、SIMロックの有無で買取金額に差が生じることがあります。


中古スマホで格安SIMが利用しやすくなる

 以前は既にSIMロックが解除された状態の中古スマホを購入しなければ、自由に携帯電話会社を選ぶことができませんでした。
 ところが2019年9月以降は中古スマホを購入した場合でも、大手キャリアショップに持ち込めばだれでもSIMロックを解除してもらえるようになります。このため今後は安い費用で本体を購入して、格安SIMや別のキャリア携帯電話会社を使用することができるようになりました。
 スマートフォンを持っていない人にとっては新品の格安スマホを購入する必要がなくなり、安い中古スマホを使用するという選択肢が増えることになります。これにより、誰でも安い費用でスマートフォンを利用することができるというメリットがあります。


バッテリー交換やメンテナンスはできない

 中古スマホのSIMロック解除ができることは利用者にとって多くのメリットがありますが、問題点もあります。一番大きな問題点は、新品の状態でスマートフォンを販売した大手キャリアショップに持ち込んでも故障の修理やバッテリー交換に応じてもらえないことです。
 携帯電話会社ではなくて修理専門のお店に持ち込む方法もありますが、保証が効かないので工賃や部品代の全額を支払わなければなりません。特に中古スマホでは本体は正常に機能していてもバッテリーが劣化しているケースが多いので、電池交換で多額の費用がかかってしまうことがあります。
 2019年9月以降に安い中古スマホの本体を購入してSIMロックを解除して使用する場合には、修理やメンテナンス費用についても考慮しておくようにしましょう。