ドコモ、au、SBの長期ユーザー、ライトユーザー向けの値下げ競争

ドコモ、au、SBの長期ユーザー、ライトユーザー向けの値下げ競争
 昨年の年末から安倍首相の鶴の一声で総務省主導で始まった、携帯電話料金に関する議論の結果、ドコモ、ソフトバンク、auの3社に対いて、ライトユーザーや長期利用者向けのサービス拡充の指示があるという話がありましたが、結果どうなったのか?比較していきましょう。


大手キャリア3社のライトユーザー向け、長期利用者向けのサービス内容とは?
ドコモ
au
ソフトバンク
総括


 今回のリリース内容はドコモ、au、ソフトバンクの寡占状態にあった携帯電話の料金体系に対して一石を投じた。従来では、各社ともに、1社が新しいプランを用意すれば、類似したプランを2社とも開始して、1社が値下げすれば、残り2社も併せて値下げするといった、類似したサービスをユーザーに提供し、新規ユーザーの奪い合いをしていたが、今回の提言を受けた3社の反応はそれぞれ異なり、違う内容のプランを用意してきた。違いが明確になっているので、長期利用を検討している人、あまりスマホや形態などを利用しない人はしっかりと比較したほうが良いだろう。


★ドコモ

 ドコモは、ライトユーザーにも、長期利用ユーザー向けにもメリットのあるプランを用意してきた。ライトユーザー向けには、家族向けのプランで、データ容量を家族でシェアするプランで、5GBをシェアするプランで一人につき4500円という内容で、長期利用ユーザー向けには、4年以上利用している家族ユーザーに対して、値下げプランを用意した。月5GBであれば、100円値下げするという内容だ。
 また、2年契約をしたユーザーには、ドコモポイントを付与するといった内容だ。


★au

 ライトユーザー向けには、あまりメリットのない内容になっており、月1ギガバイトで4900円という内容を提示、また、長期契約者向けには、インターネット上の仮想店舗や、リアル店舗で利用できるauポイントをプレゼントするという内容だ。月5GBの利用で100ポイントを付与するという内容だ。
 また、4年以上利用すれば、データ容量を毎月1GB以上を追加してくれます。


★ソフトバンク

 総務省の通知を無視はできないが、一応対応したといったような落としどころといえる。ライトユーザー向けには、auと同様に、月1GBで4900円という内容、長期ユーザー向けには、2年契約を更新すると、最大で1.5万円分のTポイントをプレゼントするという内容だ。


★総括

 ドコモは家族層向けに長期利用であっても、ライトユーザー向けでも、一定の支持を得られるプラン内容を提示したが、auは、長期ユーザー向けのみの囲い込みを狙い総務省の要望にぎりぎり応えていると言えます。
 ただし、総じて言えることが、おそらくユーザー目線では、これを見てお得だから切り替えよう。継続して利用し続けようといった購買決定要因にはなりえない水準といえます。
 また、今回、サービスの見直しを総務省は迫っただけではなく、販売方法にも注文を付けており、実質0円とか、実質無料といった販売手法をとることができず、売り上げを出すために、携帯端末代を値上げするしかないといった結果になってしまいました。
 正直、結果としてユーザー負担が増える結果になってしまったのではないか?国が民間のサービスに口を出して失敗した良い事例と言えるかもしれません。

【今回のキャリアから出したプラン内容の比較】
キャリア 長期契約者向け ライトユーザー向け
NTTドコモ ・4年以上継続利用した家族向けに値下げ
(個人でデータ容量が5GBなら100円引き~)
・2年契約を更新すると、ドコモポイントを付与

家族全員で月5GBをシェア
(1人4,500円)
KDDI(au) ・オンラインショップやリアル店舗で利用できる
au専用ポイント付与
(月5GBであれば100ポイント)
・4年以上の継続ユーザーには、
利用できるデータ容量を毎月1GB以上を付加
月1GBで4900円
ソフトバンク 2年契約を更新すると、
最大で1.5万円のTポイント付与
月1GBで4900円

 単純にユーザーサービスという点が、価格だけであれば、格安SIMを提供しているMVNOサービスの普及に努めればよいわけで、全国に店舗や人員などを抱えている大手キャリアには、これ以上の負担はそもそも、原価に近いくらい値下げ競争しているので、現実的ではありません。
 そもそも、世界的に見ても、特段高い料金体系という事もありません。議論の発端が、家計負担の軽減という点でしたが、結果、出てきた内容が、正直、魅力的な内容とは言えず。議論に要した費用も税金で賄っていると考えると、色々思うところがある結果と言えますね。