総務省からの宿題に対するソフトバンクの回答(新プラン)

総務省からの宿題に対するソフトバンクの回答(新プラン)

 安倍首相の一言で始まった総務省主導の携帯電話の料金や設定などに関するタスクフォースという事で、ここ数か月間、高市総務大臣が中心になって、キャリアと呼ばれているドコモやauなどの携帯通信販売会社や、有識者が集まって、家計負担を軽減する事を目的として、携帯の料金に関する議論がここしばらく続いていました。
 その結果のひとつとして、昨年、平成15年の12月に、総務省側から一つの打診が大手3キャリアになされました。

★既存ユーザーが損してる?
 その内容としては、普段、携帯電話を利用していない人向けのサービスの拡充でした。現在、3キャリア共に、市場競争が加速して来て、お互いのユーザーの奪い合いの為に、ナンバーポータビリティ(MNP)と呼ばれている、契約会社を変更する際に、電話番号を引き継ぐことが出来るといったサービスが展開してから、携帯会社を変更して、新規契約してくれるユーザー向けに「乗換え割」といったような加熱なユーザーの奪い合いが発生している。
 しかしなら、ずーっと、同じキャリアで利用しているユーザーであったり、余り携帯電話を利用していないようなライトユーザーなど向けのサービスは行っていない。確かに一理はある。そもそも、家計負担を軽減することを目的とした会議なので、新規ユーザーだけではなく、既存ユーザーにスポットを当てる事も重要だ。

 また、キャリアにとってもユーザーを奪うと言う行為に終始しているのが現状で、現状のユーザーに対して、辞めないように、ロイヤリティを持ってもらうためのサービスは現在、ほとんど存在しない。あるとすれば、契約後2年間はキャリア変更が出来ないといったようないわゆる「2年縛り」程度で、これは、新規契約する際に、オトクな料金設定にする代わりに、また、1回で購入すると高額になってきている携帯電話を分割で購入できるけど、割引しますという言い方で作られたいわゆる「割賦割」にする代わりに、2年間は契約し続けなければならないという内容だ。これ自体は、問題ないでしょう。ですが、既存ユーザーがその契約しているキャリアから離れないようにする施策というものも、用意すべきであろう。そういった意味でも、総務省からの今回の投げかけは注目すべき点もあった。

★ソフトバンクの新サービス
 そして、年を明けて1月に、一番最初に回答を出したのはソフトバンクだ。だが、実際にリリースした内容は、どうもユーザーにとってメリットを感じにくい内容になってしまった。具体的には、こうだ。
  月間1GBの高速通信の定額制の料金プランで、「データ定額パック・小容量(1)」といったプラン名で、2,900円の料金設定だ。
 ソフトバンクの月間1GBで2,900円は正直、高い。1GB向けのプランつくりはライトユーザーにとっては嬉しい内容と言えるがそれで、月額2,900円となると、少々割高感を禁じ得ない。普段通話利用も無いと言ったユーザーだったら、更に高額に感じる。ソフトバンクの通話し放題プランは2種類あるが、この「データ定額パック・小容量(1)」と、通話し放題プランの金額等を加えていくと、一番安いプランで、月額4,900円となる。総務省側の今回の要望は具体的には、家計負担として月額5000円以下のプラン作りだ。単純に100円下げただけのプランであり、金額は安く感じても月間の高速通信の利用が1GBでは意味が無い。では、仮に最近注目されている格安スマホと言われているMVNO各社が提供している1GBの通信プランと比較してみると、ソフトバンクのプランをお得と思う人は少なくなるだろう
【高速通信1GBの月額料金比較】

ソフトバンク 2,900円
DMM Mobile 590円
Mineo(マイネオ) 800円
ワイモバイル 1,980円


見てわかるように2,900円のソフトバンクは高いですよね。
しかも同じ2,900円の高速通信プランと言う観点であれば、他社なら、以下の通り多くの通信量を利用できる
【2,900円前後あれば、どれだけ通信できるか比較】

運営会社 金額 通信量
ソフトバンク 2,900円 1GB
U-MOBILE 2,489円 通信し放題
DMM Mobile 2,190円 10GB
UQ-mobile 1,680円 3GB
Mineo(マイネオ) 1,580円 5GB
IIJmio(みおふぉん) 2,560円 10GB
OCN mobile ONE 2,300円 10GB

通信料に同じ2900円支払うのであれば、MVNOサービスを利用した方が、数倍も高速通信を利用できます。これで家計負担軽減と言われても、ピンときませんね。